スズメバチの生態を知れば怖くない!?刺されないための正しい回避法!


「とうとう来てしまったか!」と感じるこの季節。

家の外をみれば、物色するかのようにふら~と現れ、黒と黄色の模様で飛び続けるファンキーな昆虫がいる。

その昆虫は、お尻に鋭い毒針を隠し持ち、身の危険を感じれば、容赦なく敵に襲いかかっり、敵を仕留めるまで、何度も毒針で刺し続ける。

もちろん、人でさえ容赦なく襲いかかり、最悪、死に至らしめるほどの攻撃力を有する。

その最強の昆虫の正体は、スズメバチだ。

そんなスズメバチの生態や刺されないための対策について紹介しよう。


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スズメバチはまず1匹からスタートする!

まず、スズメバチは、冬を越した1匹の女王蜂が暖かくなる春(4月~6月)に目覚めることから始まる。

そして、全国各地で、目を覚ました女王蜂から順に自分の仲間を増やすための役目をこれからたくさんこなしていくことになるので、以下のとおりスズメバチの生態をみていこう。

【スズメバチの生態のラインナップ】
  • 一人で巣を作る。
  • 巣が完成!仲間を増やすよ。
  • 大きな巣へお引っ越し。
  • 引っ越し完了!でもエサが足りない。
  • 次世代の女王蜂は越冬の準備へ。

上記の5本立てでスズメバチの生態を見ていこう。

一人で巣を作る!

スズメバチの女王は、仲間を増やすために、巣を作ることから始まる。

特に、スズメバチにとって良い環境を探すために、あっちにフラフラ、こっちにフラフラと飛び続けるうちに、ようやく見つけた以下の場所に巣を作り始める。

【巣を作る場所】
  • 植木鉢や容器の中や裏。
  • 庭木の間。
  • 物置や屋根裏。
  • 壁の中。
  • 戸袋や軒下、天井の通風口。
  • クーラーの室外機の周辺。
  • 土の中や腐った木の中。

といった場所に小型の巣を一匹で作り始めるのだ。

巣が完成!仲間を増やすよ!

こうして完成した巣に女王蜂は、卵を産み、孵(かえ)った幼虫が立派な成虫になるまで、まさにシングルマザーのように一匹だけで孤軍奮闘し続ける。

そして、スズメバチの幼虫のエサが、以下のとおりのグルメ家だ。

【スズメバチの幼虫のエサ】
  • 昆虫や動物の死骸の肉団子。(成虫が噛み砕いた肉団子。)
  • ミツバチの幼虫。
  • コガネムシやセミ。
  • 樹液。

これらのエサをムシャムシャと食べて、だんだんと大きくなり、やがて幼虫は、成虫となっていく。

また、スズメバチの幼虫は、ただのニートのようにエサだけを食べているだけなく、エサを運んでくれている成虫にしっかりとご褒美を与えるための役目がある。

それが、以下のご褒美・・・いや役目だ。

【スズメバチの幼虫の役目】
  • 成虫から貰ったエサの肉団子の替わりに栄養価の豊富な液体を成虫に与えている。

つまり、スズメバチの幼虫は、エサを運んできてくれた成虫のために、栄養価の高い液体を生成する機能が備わっているのだ。

「何故、こんな不可解な共生のような関係になってしまったのか?」というと以下の蜂の目的を達成するために必要だったからと言われる。

【ハチの目的】
  • 獲物を倒すため。
  • 巣を守るため。

この2つの目的を果たすために、蜂は、まず毒針を持つようになったのだ。

けれど、敵を倒すための針がうまく刺さらないため、蜂の身体には、以下の次の変化が起こるようになった。

【ハチの成虫の身体の変化】
  • 腰がくびれた。
  • エサを消化するための器官がなくなった。(タンパク質の消化器官が消滅。)

これらの身体の変化から、蜂の成虫は、幼虫から栄養価の高い液体を貰って生きる、役割分担ができるようになった。

つまり、スズメバチは、成虫がいなくなれば、幼虫が倒れ、幼虫がいなくなれば、成虫が倒れてしまうという持ちつ持たれつつの関係になってしまったのだと言える。

いわば、成虫が材料が運び、幼虫が料理するというシステムが蜂の中で自然と構築されていったのである。

こういった理由から、スズメバチは、必死に仲間を増やすための行動を日々し続けるわけなのだ。

大きな巣へお引っ越し!

女王蜂が、苦心の末、育て上げた幼虫が立派な成虫となり、その数も徐々に増えてくると、小さな巣ではいささか狭いので、いよいよ大きな巣へ引っ越しするための準備をし始める時期がやってくる。

時期が、夏から秋(7月~9月)で、立派に育った成虫(働き蜂)が、より良い環境を作るためにひっそりと行動を開始するのだ。

そのため、この時期に作られる巣の大きさは、最終的には、野球ボールからバレーボールのような大きな巣になる可能性が高いので、気をつけるようにしよう。

引っ越し完了!でもエサが足りない!

大きな巣を作り終え、引っ越しが無事に完了するとこの時期の女王蜂は、働き蜂に食料の調達を任せて、ひたすら仲間を増やすために巣の中で卵を産み続ける役目に没頭するようになる。

けれど、その巣の中にいる仲間に与えるためのエサも急激に不足しがちになる時期でもある。

そのため、巣の中にいる多くスズメバチの成虫は、幼虫に与えるエサを探すために、活動範囲(1~2㎞)を徐々に広げていくことになるのだ。

また、同時にスズメバチの社会では、効率よく巣や仲間を拡大していくために、さらなる役割分担がされるようになる。

【スズメバチのそれぞれの役割】
  • 卵を産む。(女王蜂。)
  • エサを調達部隊。(働き蜂。)
  • 巣を守る部隊。(偵察蜂。)
  • エサの調理担当。(幼虫。)

といった役割を割り振ることで、効率よく行っている。

特に、この中でも最も危険な存在が「偵察蜂」で、巣に近づく存在にこんな警告音を出すことで、巣を守っているのだ。

【偵察蜂が出す警告音】
  • カチカチっと音を出す。

もしも、この音が聞こえた場合は、速やかにその場を離れないといけない。

これは、偵察蜂による威嚇(いかく)で、大顎(おおあご)を噛合わせることで、敵に「巣が近くにあるから近づくな!」と警告を出しているのだ。

その上で、偵察蜂の数が徐々に増え始め、辺りを旋回(グルグル)し続けている状況が続いているなら、かなりヤバイ状況にいるということだけは、間違いない。

もちろん、この警告に従わずに巣にどんどん近づけば、お尻にある毒針を使って容赦なく刺してくるので、気をつけよう。

次世代の女王蜂は越冬の準備へ!

こうして大きくなった巣や仲間のスズメバチも冬の季節が近づくと、徐々に仲間の数を減らし、栄華を極めた巣の中もすっかりと寂しくなった。

実のところスズメバチは、おおよそ11月頃には、新女王蜂以外は死に絶えてしまう存在なのだ。

つまり、旧女王蜂や旧女王蜂から生まれたお仲間は、今年の活動をもってお役御免という1年にも満たない寿命で天寿を全うする昆虫でもある。

そのため、次世代の女王蜂は、越冬(えっとう)するために、生まれ育った巣を捨て去り、次の春の季節が来るまで、たった一匹で朽木(くつき)の中や木の隙間の中でひっそりと冬眠をすることになるのだ。

こうして、スズメバチの慌ただしい1年の活動が過ぎ去り、次世代の女王蜂は、来る年の季節に備えるためにしばし英気を養うのである。

スズメバチに刺されないためにどうするか?

結局、一番に知りたいことは、スズメバチの生態のどうでもいいうんぬん話よりも「スズメバチに刺されないためには、どうすれば良いか?」と「遭遇したときの正しい回避方法なんだろう」と一人ツッコミを入れておく。

もちろん、誰も好き好んで刺されて痛い思いはしたくないはずだから。

そこで、以下のスズメバチに遭遇した時の回避方法を頭に叩き込んでおこう!

【スズメバチの正しい回避方法】
  • カチカチッと旋回しながら威嚇されたら、ゆっくりと速やかに決して慌てずに姿勢を低くして後ずさりその場から離れる。(巣が近くにある場合。)

正直に言えば、これしか回避方法がない。

むしろ、数匹のスズメバチに旋回されながら、威嚇されたらされたで、冷や汗ものだ。

もう両手でも挙げてバンザイしたくなるほどのピンチな状況!

けれど、そんなことをすれば、すぐさま敵対行為とみなされ、あっという間に襲撃を受け、ハチの巣状態にされてしまうことは、容易に想像がつくことなので、以下の行動も出来る限り慎んだ方が良いだろう。

【スズメバチの警告を無視するような行動】
  • 前方にダッシュして逃げる。
  • 手やタオルなどで振り払う。
  • 大きな声を挙げる。

中でも、手やタオルなどを使って、振り払う左右の横の動きをしてしまうと、スズメバチは攻撃されたと認識し、毒針を使って相手に攻撃をしようと仕掛けるので、絶対にやらない方が良い。

だから、スズメバチに攻撃されないためにも、できるだけ穏便にゆっくりと姿勢を低くして後ずさりするのが最善の策なのだ。

あとは、刺される確率を下げるために、以下の対策も日頃からしっかりするようにしておこう。

【刺される確率を下げる対策】
  • 黒い服やズボンなどの濃い色を着ない。(白い服を着る。)
  • 香料のある化粧品、香水、整髪料をつけない。
  • 日焼け止めや虫よけスプレーをつけない。
  • 帽子を被り髪の毛を隠す。(黒はダメ。)

このような対策を一つ一つ行うことで、スズメバチに刺される確率を格段に下げることができるので、ぜひやっておくようにしよう!

【スズメバチのちょっとしたマメ知識の独り言】

スズメバチは、巣を脅かす「敵が来た!」と判断してから、実際、刺す時の条件の一つとして「明るさの差」で刺していることが判明している。

ここで、「明るさの差って何?」と思うかもしれないが、以下が分かりやすく考えた説明だ。

  • 黒と白のはっきりとした色に光を当てて、光を調整することにより、識別している色の強さの認識を変えるもの。

この「明るさの差の原理」でスズメバチが、敵の色を認識し刺してくるわけだ。

このことから、刺されやすい状況を想定すれば、「明るい場所(光の調整)に黒い服を着ている人がいると、白い服を着ている人よりも刺されやすく、反対に暗い場所(光の調整)に白い服を着ている人がいれば、黒い服を着ている人よりも刺されやすくなる」ということが分かる。

つまり、スズメバチは、「明るさの差次第で色の強さの認識がコロコロと変わる生態だ」ということなんだ。

もちろん、このおかげで「白い服を着れば、絶対に刺されないし安心なんだ!」なんて、今後、おいそれとは言えなくなってしまいましたが、もしも、白い服を着るのなら、暗い時間帯に気をつけて着用してくださいね。

スズメバチを知れば怖くない!

結局、スズメバチの生態や習性を知らずに、無知な行動をすることで、刺されてしまう場合が、実に多い。

そのため、スズメバチが刺すような行動や状況を意図的に作らないように心がけよう!

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