夏至の日に行う風習と食べ物


夏至になり、いよいよ「夏本番だ!」と思う人もいるだろう。

だが、「夏至」についてあなたは、どれくらい知っているだろうか?

そこで、「夏至」や「夏至にまつわる行事や食べ物」について紹介する。


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夏至は昼間の時間が長い!

夏至(げし)とは、暦上の呼び方をいい、この時期、地球の北半球側では、「太陽の南中高度」が最も高くなる。

つまり、一日の昼間の時間が最も長く、夜間の時間が最も短い日になるんだ。

だが、ここで勘違いして欲しくないのが、昼間の時間の長さが、「日の出(太陽が出る時間)が最も早い日で、日の入り(太陽が沈む時間)が最も遅い日のことなんだな」と理解してしまうことだ。

どういうことかというと、経度の影響で、実際に最も早い日の出の時期は、「6月の上旬」が最も早く、最も遅い日の入りの時期が、「7月の上旬」であると言われていて、この夏至の日に「日の出が早く、日の入りが遅い日なんだ」ということではないんだ。

だから、「日の出や日の入り」で理解するのではなく、あくまでも夏至の日は、「昼間の時間が一番長い日なんだ」ということを理解しておこう。

暑さのピークはいつごろ?

夏至の日になると、「最も暑い日なんだな」と思う人も多いだろうが、実際の暑さのピークは、「7月~8月」が暑さのピークとなる。

つまり、この夏至の日からこの暑さのピーク(7月~8月)がくるまでにズレがある。

もちろん、夏至の日は、「太陽の熱を最も多く受けるし、暑い」というのは間違いないんだけど、これでもまだ暑さのピークではないのだ。

その理由には、こんな例え話で解説したいと思う。

とある子供が、お湯を飲むため、ヤカンに冷たい水を入れて、火を使って沸かしていた。

すると、とある大人がやってきて子供にこんな質問する。

「このヤカンに入れた水は、すぐに熱くなるか?」と、すると、子供は、すぐに答え、「ならない」と答えた。

そうやって、この例え話から分かることは、「ヤカンの水は、時間をかけて温め続けなければ、熱くならない」ということを理解できたはずだ。

つまり、夏至の日が一番暑い日なのではなく、「7~8月が暑さのピーク」であると何となく理解することができる。

これらを踏まえた上で、暑さのピークには、「時間がかかるんだな」ということを知っておこう!

夏至の古来の風習と食べ物

昔から夏至の時期には、色々とやるべきことが多かった。

特に、昔の農家にとってこの時期は、とても大切な行事だった。

田植えを終わらせないといけない!

昔の農家は、夏至から半夏生(はんげしょう)にかけて田植えを終わらせなければならなかった。

それは、この期間の間に田植えを終えていなければ、「半夏半作」となり、収穫が半減するといわれていたからだ。

そのため、この時期の農家の人は、懸命に田植えに従事していたんだ。

田植えが終わると・・・

そうやって、田植えを何とか終わらせているある農家の地域では、稲作の豊作を願うために、祈願したりと夏至の時期は大忙しだった。

また、ある地域では、特定の食べ物を食べることで、稲作の豊作を祈願する風習がある。その由来のため、地域によっては、現在も根強く風習が残っている場所さえあり、以下がその地域だ。

【稲作の豊作を祈願する特定の食べ物】
各地 風習 期間
関西地方タコを食べる。※1夏至から半夏生まで
愛知県(尾張地方) 無花果(いちじく)の田楽を食べる。 夏至の日
福井県(越前大野)焼きサバ(半夏生サバ)を食べる。 半夏生の日
香川県(讃岐) うどん(半夏生うどん)を食べる。半夏生の日
奈良県 小麦餅(半夏生餅)を食べる。 夏至の日
関東地方 新小麦の焼き餅を食べる。夏至の日

といった各地で古来の風習の名残のため、「特定の食べ物」を食べられている。

【補足】

※1.稲作の根がタコの八本の脚のようにしっかりと根が深く張るようにと祈ることから。

※夏至の日は、「6月21日頃」で、半夏生は、「7月2日頃」で、暦上(新暦)で決まっている。

※半夏生は、昔、夏至の日から数えて11日目の日ことをいう。

※現在、これらの風習の影響からか7月2日は「蛸(タコ)の日」「うどんの日」として日本記念日協会に認定されている。

※沖縄では、夏至の頃に吹く季節風のことを「夏至南風」と呼んでいて、意味は、梅雨が終わり、本格的な夏が訪れると言われる。

あと、ちょっとした余談だが、稲作の祈願とは別に、夏至の日に「太陽神である天照大神」を奉っている伊勢の二見浦では、夏至祭を行っていて、行事が盛んに行われている。夏至祭は、どんなものか気になる人は、一度、見てみよう!

【映像】三重・二見浦での夏至祭の様子!!

夏至の日に行われるキャンドルナイト!

「キャンドルナイト」とは、照明器具の明かりを消し、その代わりに、ろうそくを灯して過ごそうとする運動の一つで、世界的に展開されている環境運動だ。

日本でも、夏至の日にキャンドルナイトが行われていて、「100万人のキャンドルナイト」と呼ばれる環境運動なんだ。

その環境運動は、夏至の日の約2時間、照明器具の明かりを消して、キャンドルを使い、人との絆を大切にし、ゆるやかな時間を過ごそうということで、環境保護だけを目的にしているわけではないんだ。

けれど、この環境運動には、2012年を最後に終了していて、その後は、自主的にひっそりと各地で実施されている。

キャンドルナイトなんて「知らないという人」は、一度、下記の動画で雰囲気を確かめて見てはどうだろう?

【映像】100万人のキャンドルナイト 2014「東京タワーのカウントダウン」の様子!

夏至を境に本格的な夏がやってくる!

夏至の時点では、まだ暑い夏というわけではないが、この夏至の日を境に徐々に暑くなってくる。

だからこそ、「日射病」や「熱射病」にならないように体調管理もしっかりと整えていこう!

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