エコノミークラス症候群の症状と原因を知り足の体操とグッズで予防しよう!


同じ姿勢のまま長時間、座り続けていると、いつのまにか肩が凝ったり、腰が痛くなったり、足が浮腫(むく)んだりすることがある。

そして、これらの症状以外で最もなりたくない症状の一つが、エコノミークラス症候群(エコノミー症候群)だ。

そこで、エコノミークラス症候群になる原因や予防法などについて紹介しよう。


スポンサーリンク

エコノミークラス症候群になる2つの原因!

エコノミークラス症候群になる原因は、色々とあるが、原因は主に以下の2つだ。

【エコノミークラス症候群になる原因】
  • 血流の悪化。
  • 水分不足。

中でも、血流の流れが悪くなることから、エコノミークラス症候群の症状が始まるので、そのメカニズムについて詳しくみておこう。

血流の流れが悪くなると血栓ができる!

エコノミークラス症候群になる原因は、まず、以下のような場所に長時間座り続けることで起こりやすくなる。

【エコノミークラス症候群を発症しやすい場所】
  • 飛行機の中の座席。
  • 車の中の座席。
  • 夜間バスの中の座席。
  • デスクワークなどの座り仕事。
  • 避難所のような狭い場所での生活。

といった狭い場所で、長い時間、足を満足に動かせなかったり、伸ばせなかったりすると下肢(かし)が圧迫されて血管の静脈に血栓(血の塊)ができやすくなる。

下肢とは、足のことだが、この足の血管の静脈にできた血栓が、血流の流れによって以下のような場所に流れるようになると症状が起こる。

【血栓ができてから血流で流れるまでの過程と血栓が流れる場所】
  1. 狭い場所で足を動かさない状態が続く。
  2. 足の血液循環が鈍り、足の静脈に血栓ができるようになる。
  3. 足にできた血栓が身体を伸ばしたときや動かしたときに血流と一緒に流れる。
  4. 血流によって流れた血栓が血管を通じてあちこちに流れる。
  5. あちこちに流れた血栓が、肺動脈へ流れていき詰まる。

こうして足の静脈にできた血栓が、肺動脈にまで流れると、肺動脈が詰まるようになり、「肺血栓塞栓症」を引き起こすようになる。

ここで、いきなり難しい名前の病気が出てきたが、エコノミークラス症候群とは、本来、以下にもあるように難しい名前の病気の集まりであり、こっちが病気の正式名でもあるのだ。

【エコノミークラス症候群の正式名】
  • 深部静脈血栓症(DVT)+肺血栓塞栓症(PE、PTE)=静脈血栓塞栓症(VTE)

また、それぞれの病気の症状を分かりやすくまとめるとこのようになる。

【エコノミークラス症候群のそれぞれの症状】
名前症状
深部静脈血栓症(DVT)足の深部静脈に血栓ができる症状のこと。
肺血栓塞栓症(PTE)足の深部静脈にできた血栓が流れて肺の動脈で詰まる症状のこと。
静脈血栓塞栓症(VTE)深部静脈血栓症(DVT)で起こった症状から肺血栓塞栓症(PTE)まで起こった一連の症状のこと。

といった一連に起こる症状を合わせて簡単に呼んだのが、「エコノミークラス症候群」なのだ。

また、エコノミークラス症候群は、長時間、飛行機内に同じ体勢で座り続けて発症したことからできた造語でもある。

さて、ここでエコノミークラス症候群になると、「どんな症状が起こるの?」と気になる人もいるはずなので、以下のとおり症状が出ていないか一度、確認しておこう。

【エコノミークラス症候群で起こる症状】
  • 呼吸がしづらい。
  • 足が腫れて痛くなる。
  • めまいがする。
  • 胸や肺が痛くなる。
  • 冷や汗が出る。
  • 意識がなくなる。
  • 皮膚の色が青紫になる。(チアノーゼ。)
  • 静脈が切れるかのように膨らむ。
  • 血圧が下がる。

といった症状が現れたら、エコノミークラス症候群になっている可能性が高く、突然、死に至ることもあるので、すぐに病院に行き、循環器内科や血管外科などで診察や治療をしてもらおう。

もしも、自力で病院に行けない場合は、救急車などを呼んでもらったり、病院に連れていってもらって対応しよう。

また、エコノミークラス症候群になるには、狭い場所に居続ける以外にもう一つの原因があるので、合わせて次の項目も確認しておこう。

水分不足で血管に血栓ができやすくなる!

エコノミークラス症候群は、血管の静脈に血栓ができ、肺の動脈を詰まらせる恐ろしい病気だ。

その血栓ができるもう一つの要因に「水分不足」という問題がある。

水分不足の問題は、血管に流れる血液の粘土や濃度を上昇させ、体内にある水分が不足すればするほど、血栓ができる可能性が高まることに繋がる。

つまり、エコノミークラス症候群になるリスクがより高まることになるのだ。

そのため、水分不足を解消するためには、こまめに水分補給をしておき、あとは、次のエコノミークラス症候群にならないための対策と合わせてやっておけば、鬼に金棒なので、確認してみるといいだろう。

エコノミークラス症候群にならないための予防法とグッズ!

エコノミークラス症候群にならないためには、最低でも以下の基本的な予防法をやっておく必要がある。

【エコノミークラス症候群にならないための予防法】
  • こまめに水分補給をする。
  • こまめに軽く体を動かす。

基本的には、この2つの対策をこまめにやっておけば、エコノミークラス症候群に発展するリスクをかなり抑えることができる。

中でも、こまめに軽く体を動かすことは、全身に流れる血液の流れをスムーズにすることができるので、足を屈伸したり、身体全体を積極的に伸ばしたりしておくのが吉だ。

もちろん、エコノミークラス症候群を防ぐための対策は、これ以外にもあるので、一つずつ確認していこう。

弾性ストッキングを装着する!

狭い場所にいると足を屈伸したり、身体全体を満足に動かせない場合がある。

そんな時は、足に弾性ストッキングを装着してみよう!

マジで、足に弾性ストッキングを装着するのか?」と思うだろうが、弾性ストッキングには、足の血管に流れる表在静脈という場所を圧迫し続けることで、足の血管にある深部静脈の血流の流れを速くする効果がある。

つまり、弾性ストッキングには、足の深部静脈にできやすい血栓をできにくくする効果を持っているということなのだ。

もちろん、弾性ストッキングを装着するだけでなく、次の足の体操をやっておくとより効果が高まるので、ぜひ合わせてやってみることをオススメする。

足だけでできる体操を全てやってみる!

エコノミークラス症候群になりたくないなら、以下の体操を一通りやってみるといい。

【足だけでできる体操の種類】
足の体操の種類方法
足首を回す
  • 左右の足首をそれぞれ回す。
足のつま先を上げ下げ
  1. 地面や床に足を置き、つま先を上げる。
  2. 約5~10秒ほど経過してから降ろしこれを数回繰り返す。
足のかかと上げ下げ
  1. 地面や床に足を置き、かかとを上げる。
  2. 約5~10秒ほど経過してから降ろしこれを数回繰り返す。
足の指のグーパー体操
  1. 砂をつかむつもりで足の指をグーにする。
  2. 約5~10秒ほど経過してからグーになった足の指をパーにするを数回繰り返す。
貧乏揺すり
  • 足全体を揺らし飽きるまでやる。

といった身体全体で運動ができなくても、足だけで出来る体操があるので、一連の足の体操を1セットで組み、「1セット約10分の体操」として足の体操をやっておくいい。

あとは、この足の体操を約1時間ごとにやり、最後に、第二の心臓と言われるふくらはぎのマッサージをやっておけば、さらに安心できるので、このマッサージも合わせてやっておくことだ。

もちろん、身体全体を動かすことができるなら、軽くスクワットしたり、歩くだけでもいいので、血栓ができないよう、こまめに身体を動かすことも意識しておこう。

狭い場所でも快適に過ごせるグッズ!

狭い場所に長時間いると血栓ができるだけでなく、身体があちこち痛くなったりして、快適に過ごせないことが多い。

そこで、狭い場所でも役立つのが、以下の快適に過ごせるグッズだ。

【狭い場所でも快適に過ごせるグッズの種類】
グッズの種類効果
木製の足ブランコ
  • 足がしっかりと固定される。
  • 足の宙ぶらりんを防ぐ。
  • 太ももの裏を浮かすので、足の血行が良くなる。
  • 足の体操ができるので、さらに血行が良くなる。
ビーズ入り首まくら
  • 睡眠の時に首周りを支え、血行を良くする。
腰クッション(空気式)
  • 腰が楽になる。
  • 腰回りの血行が良くなる。
ノイズキャンセリングヘッドホン
  • 飛行機の飛行中の騒音を軽減できる。
  • 睡眠しやすくなる。

といった上記のグッズを飛行機の中の座席や夜間バスの中の座席といった長時間移動せざる得ない場面で使用して、エコノミークラス症候群を予防したり、腰痛や首痛、肩こりといった身体全体に起こる様々な症状も予防して、狭い場所でも快適に過ごしたいところだ。

エコノミークラス症候群は誰でもなる病気!

エコノミークラス症候群は、条件が整えば、誰でも簡単になる病気なので、こまめに水分を補給したり、こまめに身体を動かして、血管に血栓ができないように、予防と対策だけは、しっかりとやっておこう!

スポンサーリンク