スズメバチに刺されたら起こる症状と応急処置の正しいやり方!


偶然、スズメバチの巣に近寄ったり、スズメバチを駆除している最中に、ブ~ンと上空で飛び続けるスズメバチに「痛っ!」とお尻にある毒針で刺されてしまった!

もしも、このまま応急処置をしないで、放っておけば、最悪、死んでしまう可能性もある!

そこで、スズメバチに刺されて起こる症状や刺されたときの応急処置について紹介しよう。







スズメバチは巣に近づくものを許さない!

ちょっとここで、「何で?スズメバチが刺してくるのか?」について説明したいと思う。

まず、巣は、スズメバチにとって、自身の命を投げ捨てても守らなければいけない、大切な存在で、もしも巣を破壊されたりすれば、生きていくことができない。

それは、それぞれの役割を決めているスズメバチの幼虫や成虫、女王蜂にとって、巣の駆除や破壊されてしまうことは、死の宣告と同じで、どの生態(幼虫、成虫、女王蜂)が欠けても生き続けることができないのだ。

そのため、スズメバチ(偵察蜂)は、巣の周りを飛び回って警戒し、侵入者や敵を見つければ、警告音を鳴らしたり、警告音を無視する敵には、お尻にある毒針を使い、全力で敵を倒しにいくのである。

そして、スズメバチが敵を刺す条件は、だいたいが、以下の2つのパターンだ。

  • 偶然、巣に近づく敵を刺す。
  • 巣の駆除や破壊する敵を刺す。

この2つのパターンの流れをそれぞれまとめるとこんな感じ。

【巣に近づく敵を刺す流れ】
  1. 10m以内の巣に近づく敵を偵察蜂が発見し、「カチカチ」と威嚇音を出しながら、敵の周囲を飛び回り続ける。(偵察蜂がどんどん増え続ける。)
  2. 「カチカチ」と警告する音を出すも無視され、巣の範囲にまでどんどん敵が近づく。

といった流れの間に、大きな音や叫び声をしたりすれば、いつ刺してきてもおかしくはない一触即発な状況になるのだ。

そして、スズメバチが刺してくる箇所で、特に多い箇所が、「頭」や「首周り」といった急所を狙ってくることが多いので、気をつけること。

もちろん、巣の駆除や破壊する敵にも許すことはなく、以下のような流れで刺してくる。

【巣の駆除や破壊する敵を刺す流れ】
  1. 巣の駆除や破壊の振動に偵察蜂が反応する。
  2. 偵察蜂が、「敵が来たぞ!」と警戒フェロモンを出し、臨戦態勢になる。
  3. 1匹の勇気ある偵察蜂が、お尻の毒針を使い、敵を刺し、毒液が放出される。(同時に攻撃フェロモンも出る。)
  4. 攻撃フェロモンが空気中に広がるため、他のスズメバチも敵に向かい一斉に攻撃行動に移る。

といった流れで、巣の駆除や破壊をする敵には、容赦ない集団毒針攻撃で敵を撃退しようとする。

つまり、巣の中にいる仲間を守るために、全力で刺しにくるわけだから、巣の駆除目的以外では、なるべく巣に近づかないほうがいいということも分かってもらえたのではないだろうか?

さて、話を本題に戻して、「スズメバチに刺されるとどういった症状になってしまうのか?」についてそろそろみていこう。

スズメバチに刺されると起こる怖い症状の数々!

スズメバチに刺されると、何だかもう良く分からないくらい様々な症状が起こる。

そのため、以下の症状が起こっていないか確認してみよう。

【スズメバチに刺されると起こる症状】
  • 激しい痛みや腫れが出る。
  • 呼吸がしづらい。
  • じんましんが出る。
  • 顔が紅くなる。
  • 血圧が低下する。
  • 冷や汗が出る。
  • 意識がもうろうとする。
  • めまいがする。
  • 失神する。
  • 頭痛がする。
  • 寒気がする。

といった症状を引き起こし、スズメバチに刺されて起こるこの症状の数々の名を「アナフィラキシーショック」という。

アナフィラキシーショックは、アレルギー症状の仲間みたいなもので、あるアレルギーの原因に対して免疫機能の一つである抗体が過剰に反応し、結果として、身体や精神に様々な悪い症状を起こしてしまう症状のことだ。

そのため、アナフィラキシーショックになる原因ももちろん存在するため、以下の通りみていこう。

アナフィラキシーショックになる原因と本当の怖さ!

アナフィラキシーショックになるには、2つの原因がある。

まず、そのうちの原因の一つが、スズメバチに毒に含まれる以下の成分だ。

【スズメバチの毒の成分】
  • ホスホリパーゼ。
  • ヒアルロニダーゼ。
  • プロテアーゼ。
  • ヒスタミン。
  • ドーパミン。
  • ペプチド類。(メルチンやキニン。)

といったワケワカメな名前の毒が合わさった成分ともう一つの原因である毒に対して過剰に反応する抗体が、体内の中でできることで、アナフィラキシーショックとなる布石が作られることに原因がある。

そして、この一度目に刺されてできた抗体は、二度目に刺されると、体内の中に入る毒の成分に過剰に反応し、毒を追い出すために、過剰な撃退をする影響で身体にある細胞を傷つけてしまう。

結果、心身に様々な症状を引き起こしてしまうことになるわけだ。

時には、その影響により「急激な血圧の低下」や「呼吸困難」で、ショック死に至るほどの恐ろしい症状を引き起こすこともある。

これが、アナフィラキシーショックになってしまうことの本当の怖さなのだ。

また、「一度目に刺されて体内の中で、必ず抗体ができてしまうんじゃないか?」と心配になるが、人の体質によっては、「できることもあるし、できないこともある」と曖昧などっちつかずな症状とも言える。

もちろん、「何回刺されても抗体ができないよ!」という人も中にはいるようだ。

そのため、一度目に、刺されたことがある人は、「スズメバチの毒に対する抗体ができていないか?」、アレルゲン検査をしてもらい確認したほうが安心できるから、一度、皮膚科に行ってみるのもいいだろう。

スズメバチに刺されたときの応急処置!

スズメバチに刺されたら、いち早く応急処置をしなければいけない。

そのため、以下の応急方法で速やかに処置を始めよう。

【刺されたときの応急処置方法】
  1. 刺された場所から慌てずにすぐに離れる。(※1)
  2. 刺された箇所を水を使って、よく洗い流しつつ、爪を使って、刺された箇所の周りを圧迫するように、毒液をしぼり出す。(※2~3)
  3. ステロイド軟膏などの薬を使い、刺された箇所に塗る。
  4. 刺された箇所を濡らしたタオルやハンカチを使って冷やしつつ、安静にする。
  5. 15分~20分ほど様子を見る。

このような流れで、応急処置する。

もしも、具合が悪くなったり、アナフィラキシーショックの症状が出始めたら、すぐに病院に行き、適切な治療をしてもらった方がいい。

自力で病院に行けない場合は、救急車を呼んだり、誰かに車で病院に連れていってもらおう!

あとは、ちょっとした補足だが、以下の「補助的な道具と薬」や「注意点」もしっかりと確認しておこう!

【補助的な道具と薬】
  • ボイズンリムーバー。(毒を吸いだす器具。)
  • アドレナリン自己注射薬のエピネフリン製剤。(アナフィラキシーショックの症状を緩和させる。※4~6)
【注意点】

※1 スズメバチの刺した箇所から毒と一緒に警戒フェロモンが出るので、集団攻撃の的にならないようにすぐに離れる。

※2 蜂の毒は、水に溶けやすいので、しっかり流水したり、刺された箇所をもみ洗いする。

※3 口を使って刺された箇所を吸いだしたりすると逆効果になる。

※4 医師の処方を受ける必要がある。

※5 症状が緩和しても病院に必ず行くこと。

※6 エピペンとも言われる。

スズメバチに刺されても慌てない!

スズメバチに刺されると、たくさんの良くない症状が現れ、最悪、死に至ってしまう症状なことが、少しは理解できたのではないだろうか?

もちろん、刺されても慌てずに適切な応急処置さえできれば、症状は、次第に緩和していくので、この機会にしっかりと応急処置のやり方だけでも押さえておこう!

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