ヒアリの特徴や発見時、刺された時に起こる症状と対応方法!


今年(2017年)になってから、日本の各地でヒアリが次から次へと発見されています。

そんなヒアリについての認識を調べてみると、「ただのアリだろ?」や「何が問題なの?」とのんきな見解は少なからず存在するようです。

また、ヒアリについて、私自身知らないことがたくさんあるので、せっかくなので少しだけ調査してみることにしました。

そこで、ヒアリの特徴や発見時、刺された時に起こる症状と対応方法について紹介しよう!







南アメリカ大陸からヒアリはやってきた!

では、さっそくヒアリについて色々と説明していきたいところだが、その前に、ヒアリが、「どの場所に生息していたか」を知っているだろうか?

もしも、知らないのなら、その答えを先に言ってしまうと・・・。

南アメリカ大陸にある様々な生き物や昆虫が住まう場所。つまり、ヒアリは、元からアマゾンの熱帯雨林にしか生息していなかった特定外来生物なのです。

それでは、どのような手段で、このヒアリ(特定外来生物)は、世界中にその生息エリアを拡大していったのかというと・・・。

以下の三つの移動手段を使って、「ヒアリは移動して生息エリアを拡大したのではないか?」と考えられています。

【生息エリアを拡大する三つの移動手段】
  • 人の荷物の中。
  • 船の脚荷。
  • 船のコンテナの中。

中でも、船の脚荷は、ヒアリの巣やヒアリの女王と一緒に紛れて運ばれる移動手段が最も多く、「この移動手段を使って、ヒアリは、海に囲まれている国や陸続きでない国へ密かに侵入して、確実に生息地を拡大していった」と言われています。

ここで船の脚荷について軽く説明すると、船の安定を図るために船底に積む土や砂利などのこと。(バラストとも言われる。)

こうした三つの移動手段を巧みに利用することで、以下の国へと生息エリアを拡大していったわけです。

【生息エリアを拡大していった国】
  • アメリカ。
  • オーストラリア。
  • 中国。
  • 台湾。

こうして生息地を順調に拡大していったヒアリは、当然、次の国に生息地拡大を目論むわけで、同様な移動手段の手口で、以下のとおり残念ながら日本の各地でヒアリの侵入を許してしまう状態となりました。

【ヒアリが日本各地で発見された場所と発見時期】
発見場所発見時期
尼崎市内(兵庫県)2017年5月26日頃。
神戸港(ポートアイランド)2017年6月18日頃。
名古屋港2017年6月30日頃。
大阪南港2017年7月4日頃。
東京港(大井ふ頭)2017年7月6日頃。
横浜港(本牧ふ頭)2017年7月14日頃。
博多港(福岡県)2017年7月21日頃。
広島港国際コンテナターミナル2017年8月23日頃。

といった日本の各地でじわじわとヒアリが侵攻してきていることが分かります。

また、ヒアリの発見された時期が、これほど集中的に重なっているところを見ると、「日本の各地で既にヒアリは定着しているのではないか?」という疑惑や憶測が出てくるわけですが・・・どうなのでしょうか?

・・・まぁいずれにしても想像の域なわけですが、今後ともヒアリが、生息エリアを拡大するために、人の荷物や船のコンテナなどの流通によりひっそりと侵入して運ばれ、着実に生息地を拡大していくことには変わらないことなのだと思います。

さて、そんな日本の各地でヒアリの侵入状況が増えていることが分かれば、この先の人生において、ヒアリをお目にかかることがあるかもしれません。

けれど、発見時にそれが、ヒアリがどうかの判断がつかなければどうしようもないはず・・・。

そこで、次の項目でヒアリの特徴についてサクッと確認してみるといいだろう。

ヒアリの特徴は体が赤茶色で腹部が赤黒い!

ヒアリの身体的な特徴は、この他にもまとめると以下のとおりだ。

【ヒアリの特徴】
  • 体長は約2.5~6ミリ。(個体は大小バラバラ。)
  • 毛が少ない。
  • 胴部と腹部の間にラクダのような二つのコブがある。
  • 腹部に毒針がある。(見えない場合もある。)
  • 触覚の先端はこん棒状。
  • 日本にいる黒いアリに比べて小さい。

また、これらの身体的な特徴があるためか、以下のアリと間違えられやすい。

【ヒアリとよく似たアリの種類】
種類特徴
オオズアリ
  • 赤色の体。
  • 背中のコブ。
  • お尻の色が濃い。
  • ヒアリに比べて少し頭が大きい。
アカカミアリ
  • 毛が沢山。
トフシアリ
  • 形が良く似ている。
  • ヒアリに比べて体が小さい。

そのため、実際に見てヒアリかどうかの判断がつかない場合は、次の項目で対応してみるといいだろう。

ヒアリを発見してしまったらどうすればよいか?

さて、そんなヒアリやヒアリによく似たアリを発見してしまった場合は、とりあえず、「ヒアリ 画像」とインターネットで検索をかけてみるといい。

そうすれば、ヒアリかどうかの判断がつく画像が出てくるはず・・・。

また、仮に判断できなくても、念のため、以下の各機関へ通報することを心掛けておこう。

【ヒアリを発見したら通報する各機関】
  • 市役所。
  • 自治体の保健所。
  • 地方の環境事務所。

各機関へ通報する際には、それが、「本当にヒアリかどうか?」の判断をしてもらうために、スマートフォンやカメラなどで、ヒアリやその疑わしきアリの姿や形を写真に撮影したりする。

もしも、その時にヒアリの巣らしきアリ塚が近くにあるのなら、一緒に写真を撮影しておくといい。

さらに、ヒアリの死骸(しがい)らしきものが落ちている場合は、直接、手でつかんで採取するのではなく、必ず、手袋やハンカチなど何らかの物でワンクッションはさんでからビニール袋などに死骸のヒアリを入れておく。

こうしたこれらのヒアリの物証を揃えてから各機関へ通報するようにしよう。

あとは、各機関がヒアリかどうかの判断や調査をしてくれるはずだ。

ヒアリに刺された時に起こる症状と対応方法!

偶然、ヒアリを発見してしまい、その時、万が一、ヒアリに刺されてしまうようなことがあれば、以下の症状が起こるようになる。

【ヒアリに刺されて起こる症状】
  • 水ぶくれや水泡。
  • かゆみ。
  • 痛み。
  • 発疹。
  • じんましん。

これらの症状が、ヒアリに刺されて起こる症状。

そして、これらの症状に加えて、ヒアリに刺された箇所が多ければ多いほど、最悪、アナフィラキシーショックになる可能性が高まり、運が悪ければ、死に至る場合があるわけだが・・・。

ここで、アナフィラキシーショックについて軽く説明すると、人の体内の中に入ったアレルギーや細菌などの異物を撃退するために、体内の中の免疫細胞(免疫力)や抗体が過剰に反応してしまう症状のこと。

また、アナフィラキシーショックの症状については、以下のとおり。

【アナフィラキシーショックの症状】
  • めまい。
  • 頭痛。
  • 激しい胸の痛み。
  • 吐き気。
  • 大量の発汗。
  • 低血圧。
  • 呼吸の喪失。
  • ろれつが回らない。
  • 発作。
  • けいれん。

といった症状がアナフィラキシーショックだ。

それで、これらの症状を引き起こす原因にあるヒアリの毒には、以下の成分が含まれている。

【ヒアリの毒の成分】
  • ピペリジンアルカロイド。

このピペリジンアルカロイドは、ヒアリの毒の成分で「約95%占めている」と言われていて、そんな毒の持つ効果は、以下のとおりだ。

【ピペリジンアルカロイドの毒の効果】
  • 細胞毒性。
  • 溶血性。
  • 壊死性。
  • 抗真菌。
  • 抵HIV特性。
  • 殺虫。

といったピペリジンアルカロイドの毒の効果で、この効果の影響により様々な症状を引き起こされてしまうわけだ。

そのため、ヒアリに刺されてしまったら、この毒が体全体に回らないようにするために、すぐさま以下の方法で対応しよう。

【ヒアリに刺された場合にとる対応方法】
  1. ヒアリに刺されてしまった場所(ヒアリの巣)からすぐさま離れ、安静できる場所に移動する。
  2. 体調の変化を見るために身体を横にして約20~30分間安静にする。(※ボイズンリムーバーがあれば刺された箇所を毒抜きする。)
  3. 安静し終えたら誰かに車に乗せてもらい医療機関へ連れていってもらう。(一人なら毒が回る前に救急車を呼ぶ。)

といった方法でヒアリに刺された場合に対応するのだ。

また、この方法で対応する場合は、一つだけ守って欲しいことがあるとすると・・・。

それは、「決して慌てたり焦ったりしてはいけない」ということ。

もっと単純に言えば、ヒアリに刺されても必ず冷静に対応するということだ。

「どういうことなのか?」というと慌てたり焦ったりすると、人の心拍数は、必ず上昇して、その上昇によって、人の身体の中に流れる血流が良くなってしまうから。

つまり、血流の流れが良くなると、その流れが良くなった分だけ、全身の血流と一緒に流れるヒアリの毒の回りを早めてしまうことに繋がるわけだ。

そのため、全身の血流と一緒に流れるヒアリの毒の回りを遅くするために、「必ず、冷静に対応する!」ということだけは、しっかりと覚えておく必要があるわけです。

ちなみに、「ヒアリがどんな時に刺すのか?」について教えるとすると、以下のような場合が起こると刺すそうだ。

【ヒアリが刺す場合】
  • ヒアリの巣(アリ塚)に乗ったり、叩いたり、触れたりする。

こうしたヒアリにとっての緊急事態が起こると、ヒアリは、巣を攻撃した存在を倒すために、巣の中から仲間と共に物凄い勢いで飛び出して、攻撃してきた存在を探し出し、最終的に、仲間と一斉に攻撃した存在を刺すことで撃退するようになるわけです。

つまり、ヒアリが、むやみやたらに刺すという事実はなく、ヒアリにとって大事な住処を攻撃されたり、荒らされたりした場合に仲間と一緒に刺してくるので、興味本位で突いたりして、刺激を与えないようにしよう。

【ヒアリが身体によじ登ってきた場合の対応(補足)】
  • 手でヒアリを叩かず、身体をクネクネさせ、時には手や足をバタバタさせながら、全力で走って振り落とす!

ヒアリを駆除する際に起こる問題点!

さて、ここまでヒアリの特徴や対処方法などについて説明してきたわけだが、「そんな危険なアリならすぐに駆除すればいいじゃないんか?」と思う人がいるかもしれない。

けれど、ヒアリの駆除の方法によっては、他の生態系を破壊してしまったり、逆にヒアリやその生態系を拡大するチャンスを与えてしまう場合がある。

そのため、ヒアリを駆除する際には、どのような駆除方法があって、その駆除方法には、どのような問題点があるのかを知る必要があるわけです。

なので、まずは、一般的なヒアリの駆除として考えられている方法や目的などの内容が以下のとおりあるので、サクッと確認してみよう。


といったヒアリの一般的な駆除方法がある。

そして、どの駆除方法においても、ヒアリを駆除することはできるが、これらの駆除方法で最大の問題になるのが、ヒアリ以外の昆虫や生物を駆除してしまう可能性があることだ。

そのため、この問題についてざっと確認すると以下のような問題点が浮かび上がる。

【ヒアリの駆除した後に起こり得る問題点】
  • アリ以外の昆虫や生物も駆除される可能性があり、逆にヒアリの生息範囲を広げる場合がある。
  • ヒアリのライバルになり得る日本の在来アリも一緒に駆除される可能性があり、逆にヒアリの生息範囲を広げる場合がある。

つまり、これらの問題点から共通して言えることは、「逆にヒアリの生息地拡大の手助けをしてしまうのではないか?」という問題や懸念があること。

この問題や懸念があるため、全面的にベイト剤やスプレーなどの薬剤を使用することによるヒアリの駆除はオススメできないわけだが・・・。

薬剤が使えないのだったら、ヒアリの天敵を使ってヒアリを駆除すればいいんじゃないか?」と思いつく人も中には当然いることだろう・・・。

けれど、ヒアリの天敵を使ってヒアリを駆除する場合、以下のいくつかの問題点があることを先に知っておかなければいけない。

【ヒアリの天敵を使ってヒアリを駆除する場合の問題点】
  • 天敵を大量に入れなければならない。
  • 他の昆虫や生物の生態系に何らかの影響を与える。
  • 天敵がヒアリを駆除しても、今後、その天敵が害虫になる可能性がある。

といった問題点からたとえヒアリを駆除することができても、新たな問題になる可能性が高いのだ。

ちなみに、ヒアリにとっての天敵とは、以下の外来種のことなので、知っておこう。

【ヒアリの天敵】
名前詳細
ノミバエ
  • ゾンビバエとも言われる。
  • ブラジルのアマゾンに生息。
  • アリやハチなどの昆虫の体内に卵を産みつける。
  • 成長したノミバエは、寄生した昆虫から飛び出る。

ヒアリに刺されないように気をつけよう!

ヒアリは、刺されると様々な症状を引き起こしたり、最悪、アナフィラキシーショックで死に至る可能性がある厄介なアリだ。

なので、ヒアリに刺されないために、ヒアリが潜んでいそうな怪しい場所にはできるだけ近づかないようにしよう!

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