新年が始まりお正月の期間は、おせち料理や雑煮などのご馳走をたらふく食べて胃がもたれてしまいがちだ。
そんな時は、正月期間中にフルに活動していた胃を休めるために、七草粥(ななくさかゆ)を食べたいところ。
だが、七草粥を食べるその前に、今回は、七草粥にまつわる由来や春の七草の種類と効能について紹介しよう!
目次
七草粥の由来は2つある!
では、さっそく七草粥の由来について説明していきたいところだが、実のところ、「二通りの由来があるのではないか」と言われる。
それは、以下のような由来だ。
【七草粥の2つの由来】
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といった2つの由来がある。
けれど、どちらの由来が正しいのかについては、実のところよく分からないのが、実情だが、それでも、現在の七草粥の誕生に大きな影響を与えたことについては間違いなさそうなので、まずは、一つ目の由来について説明していこう。
七草粥の由来は中国から伝わった!?
一つ目の由来は、「七草粥が中国から伝わった」という話だ。
だが、その前に昔の中国で行われていたお正月の期間中にやっていた出来事について先に知っておく必要あるので、まずは、以下のお正月の期間中の出来事について確認してみよう。
1日 |
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2日 |
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3日 |
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4日 |
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5日 |
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6日 |
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7日 |
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8日 |
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といった昔の中国では、お正月の期間中、上記の日があったと言われる。
そして、それぞれの日についてまとめて説明すると、以下のとおりだ。
1日~6日 |
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7日 |
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8日 |
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といったそれぞれの日には、決まった風習があった。
中でも、8日は、その日に穀物を食べることができないので、その日の前日に作物へ感謝し、7種類の菜を食して祝っていたという。
要するに、「7日に7種類の菜を食し祝っていた」というのだ。
その時、この7種類の野菜を食べるために、「熱い汁物」として頂いていたともいう。
ちなみに、以下の七草粥に相応しい四字熟語がこの時に生まれたと言われている。
七種菜羹(しちしゅさいこう) |
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今の言葉で言えば、「七草粥」や「七種粥」に当たる言葉だ。
さらに、付け加えると中国の南朝、梁の宗懍(そうりん)という人物が著書にした「荊楚歳時記(けいそさいじき)」にある「正月七日を人日(じんじつ)となし、七種の菜をもって羹(あつもの)をつくる」とあることから、ここから「七種菜羹」という言葉ができたと言われている。
つまり、この時代に「七草粥」が生まれたとも考えられるのだ。
もちろん、七草を食すことには、少なからず以下の理由があるようだ。
【七草を食べる理由】
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といった理由から昔から七草が、食されてきたのだ。
そして、これが、日本に伝わり、今のような七草粥が生まれたのではないかと考えられる。
日本が小豆粥をベースに七草粥を生み出した!?
2つ目の由来は、「日本が小豆粥をベースに七草粥を生み出した」という話だ。
だが、その前に七草粥の説明に必要な小豆粥について少しだけ話をしなければならない。
そもそも小豆粥とは、小豆と米を炊き込んだお粥のことで、小正月(1月15日)の日に食べて、邪気を払って一年の健康を願う風習のことだ。
そして、実は、この風習についても中国からの由来で、以下のような流れで生まれたのではないかと言われる。
【中国の小豆粥の誕生の流れ】
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といった流れになっているが、「小豆粥自体がそもそもいつの時代に生まれたのか?」については、実のところ明確に分かっていない。
けれど、中国の六朝時代には、先ほどの中国の南朝、梁の宗懍(そうりん)という人物が著書にした「荊楚歳時記(けいそさいじき)」に、「1月15日に豆粥が食せられた」という記述があるらしいのだ。
つまり、六朝時代の頃には、小豆粥が誕生し、そして、この時代に存在していたことについては、少なくとも間違いはないだろう。
で、そういった中国で紆余曲折を通して生まれた小豆粥が、日本へ伝わったのは、「平安時代ではないか」と言われている。
そして、日本の平安時代に小豆粥が伝わり、七種粥が誕生したのであろう書物が以下の書物だ。
延喜式(えんぎしき) | 【時代】
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といった具合に小豆粥をベースに複数の穀物が入れることで、七種粥が誕生したらしいのだ。
また、七草粥の歴史は古いためか、804年(延暦23年)の「天皇神宮歴史帳」にその記録が残っているとさえ言われる。
ちなみに、この風習を宮中に取り入れたと記載されている書物が以下の書物だ。
宇多天皇宸記 | 【作者】
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この他にも平安時代の書物にはこんな書物もある。
土佐日記 | 【作者】
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枕草子 | 【作者】
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といったこれらの書物により、七草粥は、平安時代に年中行事として定着していったのだと考えられる。
そして、室町時代においては、現在の七草と言われるものが、以下の書物として記述されるようになった。
河海抄 | 【作者】
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といった春の七草を和歌にしたものが歌として広まっていったのだ。
さらに、江戸時代に入ると、「五節句」の一つとして数えられ、庶民の間にも七草粥が広がり、やがて、幕府においても公式的な以下の予祝行事となっていった。
【公式的な予祝行事】
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として七草粥を予祝行事としても食されるようになっていったのだ。
つまり、七草粥は、時の権力者が認めるほどの料理として認知されるようになったとも言えるわけだ。
さて、そんな七草粥の由来について何となく理解できたら、次は、七草の種類と効能についてみていこう。
春の七草の種類と効能!
七草がゆを作るためには、必要な材料をそろえなければいけないが、そもそも春の七草を知らなければ作ることもできない。
そこで、以下の春の七草の種類があるので、七草粥を作るためにも一度、確認してみよう。
【春の七草の種類】
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といったものが春の七草の種類だ。
また、春の七草には、他の種類で分けるとこうなる。
セリ科 |
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ナデシコ科 |
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キク科 |
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アブラナ科 |
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ちなみにだが、七草の名前には、こんな意味も込められている。
芹(セリ) |
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薺(ナズナ) |
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御形(ゴギョウ) |
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繁縷(ハコベラ) |
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仏の座(ホトケノザ) |
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鈴菜(スズナ) |
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蘿蔔(スズシロ) |
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そして、そんな春の七草には、以下の効能があると期待されている。
春の七草の種類 | 効能 |
セリ |
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なずな |
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ゴギョウ |
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ハコベラ |
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ホトケノザ |
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スズナ |
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スズシロ |
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といった春の七草には、人の身体を優しく労わる効能がたくさん含まれているので、ぜひ、七草を使って、七草粥を作ってみるといいだろう。
七草粥は無病息災を祈りながら食べよう!
七草粥を食べることは、本来、以下のような意味も含まれている。
【七草粥を食べることの意味】
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といった意味があるので、今年1年の無病息災を祈りながら、味わって七草粥を食べよう!